2026.05.12 マンション 戸建て 土地 購入・売却 住宅ローン 税制・法律関連 代表ブログ

家が買える・買えない、その分岐点は?

親による資金援助ママ・パパ銀行贈与住宅取得資金の贈与特例省エネ等住宅

都市部を中心に住宅価格の上昇が続いていますが、同じ年収であっても家を買える人と、買えない人がでてしまいます。前回ブログと同様に日本経済新聞社が日経リサーチと共同で行った2025年12月の調査では、その主な要因は「親による資金援助の有無」です。

 

調査では、住宅購入時の「親による資金援助」は6割は0円で援助はありませんでしたが、1000万円以上の援助を受ける人が15.8%という結果でした。欧米諸国や韓国などの海外でも住宅価格が上昇しており、海外では「ママ・パパ銀行」の有無が住宅取得の格差を生むという指摘もあります。

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夫婦ともに正社員の共働き世帯では、企業の賃上げ機運もあり世帯年収は高くなってきました。しかし、賃金の上昇以上に都市部を中心に住宅価格の上昇が大きいため、自己資金(親による資金援助を含む)の多寡によって「買える・買えない」の分岐点となっているのです。

 

金融機関に勤務する男性(32歳)のケースです。世田谷区内の1LDK(40平米)の賃貸住宅に住み、IT企業に勤務する妻と子供の3人で暮らしており、3歳の子供が小学校に進学する前に家を買いたいと考えています。

 

都内の駅から徒歩15分以上の3LDKの築20年の中古マンションでも、2024年秋の時点で7900万円ほどでしたが、現在は同じマンション内で同じ間取りの階が異なる部屋で、1億1450万円まで値上がりしました。男性は「世帯年収は1500万円ほどですが、それだけでは家は容易に買うことは出来ない」と語ります。

 

一方で都内で共働きをしている女性(27歳)は、2025年に1億3000万円ほどの築20年超・80平米の中古マンションを購入しました。勤務先がある東京駅まで20分ほどで出られる駅から徒歩3分の物件です。義父が半分ほどを出して、残りを夫婦ペアローンで支払います。名義は夫婦と義父の3人名義となっています。世帯年収は2000万円ほどあり、夫婦ペアローンだけで買えないことはないですが、義父からの資金援助があることで「日々のキャッシュフローに余裕が出た」と女性は語ります。

 

調査では「持ち家」の人に、購入の際に親からの資金援助(自身の親、配偶者の親の合計)について聞くと、「0円」が60.0%、「500万円未満」が15.1%、「500万円以上1000万円未満」が6.4%、「1000万円以上」が15.8%となりました。

 

欧米諸国でも住宅価格の高騰は社会問題となっていて、親が資産を持ち住宅費を出してくれる「bank of mam and dad(ママ・パパ銀行)」の有無が格差を広げているという指摘があり、イギリスのシンクタンクが2023年に「ママ・パパ銀行が若い世代の経済格差を拡大させている」というリポートを発表しています。

 

イギリスでの贈与は結婚や住宅購入時に多くなされ、そのチャンスは親の経済状態によって異なります。例えば親が大学教育を受けて持ち家を所有する場合、その子供は20代から30代前半にかけて、賃貸住宅に住む親の約6倍もの資産移転を受けるといいます。

 

日本でも「ママ・パパ銀行」から資金や住宅を得られる人もいれば、空き家といった「負債」を受け取る人もいます。今後、更に金利が上がれば基本的に金利がないママ・パパ銀行からの資金援助は大きなメリットとなります。

 

資産がある人だけが「資産になる家」を得る構図が加速する可能性があります。

 

また、親からの資金援助は様々な方法があります。上記の女性のように出資額に応じた持ち分を登記する方法の他には、贈与税がかかる可能性がありますが、贈与を受ける方法、借用書を作って銀行よりもやや低金利で親から借り受ける方法などがあります。

 

出資額に応じた持ち分を登記する場合は、物件価格1億3000万円の半分を親が出資する場合は持ち分を2分の1にします。持ち分を3分の1や4分の1などと著しく低くするとその分は贈与とみなされる可能性があり、税務申告や贈与税の納税が必要になる可能性があります。

 

贈与税の基本的な仕組みとしては、110万円までは非課税で申告や納税は免除となりますが、110万円を超えると申告・納税が必要になります。但し、現在は住宅取得資金の贈与に特例があり、省エネ等住宅の場合には1000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。

 

また、親から低金利で借り受ける場合も、銀行の住宅ローン金利と大差の低利にすると税務上の指摘を受ける可能性がありますので、ほどほどの金利差にすることが肝要のようですのでご注意下さい。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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