日本経済新聞社が実施したアンケート調査したところ、賃貸住宅に住んでる人で「家を買いたいのに困難」との回答が全体の半数近くになりました。
理由は都市部を中心に住宅価格が高騰している現状を反映して「価格の高騰」がトップで、理由別の半数(複数回答)を超えました。特に困難に感じているのが子育て世帯です。
都市部では、世帯年収1000万円に近いような層でも購入に踏み出すのが難しくなっています。都内で働くシステムエンジニアの女性(38歳)のケースです。2020年に結婚して夫婦で不動産セミナーに参加して勉強し始め、その当時の年収は女性が500万円、夫が400万円ほど。頭金を300万円ほど貯めて、4800万円台のマンションを購入して、ローン支払いは月々15〜17万円の支払いを想定して探し始めたそうです。
通勤を考慮して都内と川崎市に絞って探し始めましたが、中古物件でも強気な価格設定ばかりでした。「これは良い」と本気になった物件は、東急東横線などが通る武蔵小杉駅周辺で4500万円前後の2つの中古マンション。気に入ったのですがよく調べると両方とも、殺人事件があったいわゆる「事故物件」でした。事故物件は買主側の精神的負担などを考慮して、売主側は周辺相場よりも安く価格設定するケースが多いです。その後も折々に物件サイトを閲覧し続けていますが、本音では諦めモードになっているようです。
昨夏には子供が生まれたことなどで1DK(44平米)が手狭に感じて、小田急線沿線で2LDK(64平米)の賃貸に引っ越しました。月々の家賃負担は13万円から21万円に増えた上に、光熱費も上がりました。先々の不安もあり、無理なペアローンを組んでまでの購入には消極的のようです。

日本経済新聞社と日経リサーチは共同で2025年12月に住宅に関する調査を実施し、学生を除く20〜50歳代の男女1408人から回答を得ました。
現在の住まいは「持ち家」が46.3%、「賃貸」が42.8%、「実家・その他」が10.9%でした。「賃貸」の人に「いずれ家を買いたいか」と尋ねたところ、「家を買うことを希望しているが、現在は困難」が48.7%と半数近くに及び最多の理由となりました。賃貸住宅に住んでいる人のほぼ半数が不本意ということになります。
困難の理由については「住宅価格の高騰」が53.2%で最も多く、世帯構成別で見ると「夫婦と子」の子育て世帯では「住宅価格の高騰」が61.9%まで上昇しました。子育て世帯では希望する条件の住宅探しがより難しい状況が浮かび上がります。
「希望する条件」で物件検索して見付からなければ、希望条件を広げることはよく知られた手段です。希望の駅を一つずらしたり、築年数をもう少し古くまで許容したり、駅からの距離をもう少し遠くまで許容するなどが知られていますが、あまりに高騰すると条件を緩和して探しても、満足感が得にくかもしれません。
その一方で、子育て世帯の年収は上昇傾向にあります。厚生労働省の調査では共働き世帯の増加や、企業の賃上げ効果で2023年は平均820万円と、2013年と比べて100万円以上増加しています。
2026年は調査時よりも更に食料品の物価高や住居費の高騰が進んでおり、共働き世帯で一見、十分な収入があるように見える世帯でも、生活のゆとりを失う人達が増えている可能性があります。
現在は育児と仕事・通勤などのバランスの取り方が、難しい時代になったように思えます。

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一
宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者
新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。
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