2026.10.26 その他 投資 住宅ローン 代表ブログ その他

地方銀行の融資が不動産に集中

地方銀行アパートローンジョーンズラングラサール東日本銀行全国地方銀行協会

再編の動きが活発な地方銀行。東北、関東、中部、四国、九州などの各地域で地盤が同じ都府県ではなく、地盤が隣接する都府県の2〜3行での経営統合などが報じられています。10月下旬には、関西で滋賀銀行と池田泉州銀行(大阪)の経営統合の協議開始が報じられました。

 

それらの地方銀行が融資をしている案件では、ここ最近では融資先が不動産に集中している傾向があります。この1年で3兆円増えて、過去最大の伸びを記録しました。融資全体に占める不動産の比率は大手銀行を含めて18%と、バブル期を含めて大幅に上回り最大比率になりました。中には融資の半分近くを不動産に依存する地方銀行もあります。

 

今は不動産価格が上昇基調ですが、これが反転すれば金融システムのリスクになりかねず、金融当局は警鐘を鳴らしています。

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日本銀行によりますと、国内銀行の2026年6月末時点の不動産業向け融資残高は120兆7588億円と前年同期比で8.2%増えました。3メガバンクも、3月末時点で3行合計で約38兆円と10%増やしました。地方銀行の同残高は、6月末時点で47兆2984億円と7%増やしました。

 

664兆180億円の銀行融資全体の18%を占め、不動産投資が過熱したバブル期の10%を大きく上回ります。不動産業向け融資はマンション建設やオフィスなど、物件取得に必要な資金を金融機関が貸し出します。個人が貸家を立てる際のアパートローンなどの融資も含みます。主な借り手は不動産デベロッパー(開発業者)や賃貸業者、不動産ファンドです。

 

経営の依存度が高いのは地方銀行です。全国地方銀行協会によりますと、6月末の不動産業向け融資残高は前年同期比で3兆1221億円増えました。1年間の増加幅としては、統計を遡れる2011年以降で最大です。この数値はアパートローンは含んでいますが、住宅ローンは含んでいません。住宅ローンまで含めると、金額は更に大きくなります。

 

横浜フィナンシャルグループ傘下の東日本銀行は貸し出し全体に占める不動産業向け融資の割合が47%にのぼりました。取引が活発な首都圏の不動産関連需要の取り込みに力を入れた結果を反映しています。3メガバンクの国内向け貸し出しに占める不動産業向け融資の割合は3月末時点で18%です。海外向け融資を含めるともっと下がるので、3メガバンクと比べると地方銀行の伸びは大きいです。

 

バブル期との違いは、人口減少に伴う地域経済の縮小があります。地盤地域の企業の資金需要が縮小する中、地方銀行は不動産融資に参入しやすく、資金需要も旺盛な大都市圏の不動産業への地域をまたいだ「越境融資」に活路を見いだしています。

 

金融庁によりますと、東京の都心5区(千代田・港・中央・新宿・渋谷)での不動産業向け融資のうち6割は、首都圏外に本店を置く銀行による融資です。全国の地方銀行の不動産業向け融資の約4分の1が都心5区に集中しています。

 

不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(アメリカ)によりますと、2026年1〜6月の日本国内の不動産売買額は前年同期比17%増の3兆7517億円と同期間で過去最大を記録しました。不動産価格の上昇で活況な取引が伺えます。

 

バブル期は過剰な融資で不動産価格を実態より押し上げる一因になりました。当時の大蔵省(現・財務省)が1990年に不動産融資の総量規制に踏み切り、バブル崩壊の引き金の一つになった経緯があります。

 

一方で、地方銀行はリスク抑制へ審査を厳しくしていると説明しています。東日本銀行の担当者は「四半期ごとに算出する市況判断を基に審査の厳格な運用をしている」と話します。

 

但し、東京都心の湾岸部などの人気エリアの一部などでは、中古マンションの売り出し価格に下落傾向が見られ出しました。これまでの大きな上昇に、実需の買い手側がついていけなくなってきたようです。

 

地方銀行は不動産融資に力を入れつつも、リスクの見極めはしっかり行っているとの姿勢が伺えますが、不動産価格のトレンドが本格的に反転すれば、負の連鎖に陥る未来があるかもしれません。もちろん、そうならないことを望みます。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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