2026.10.17 戸建て 土地 購入・売却 FAQ

借地権付き建物の買取相場は?売却先や注意点を解説

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借地権付き建物は、地主や買取業者だけでなく一般の買主へ売却する方法もあります。売却方法ごとの特徴や買取相場、地主の承諾・譲渡承諾料などの注意点、底地権の買取までわかりやすく解説します。

 

 

借地権付き建物をどこに売却すればよいのか、地主への売却や一般の買主への売却、買取業者への売却など、どの方法を選ぶべきか迷う方もいるでしょう。借地権付き建物の売却では、地主の承諾や譲渡承諾料など、通常の不動産売却とは異なる点があります。

 

本記事では、売却先ごとの特徴や買取価格の目安、地主の承諾が得られない場合の対処法、底地権の買取という選択肢まで解説します。

 

 

Q1: 借地権付き建物の売却先にはどのような選択肢がありますか?

 

借地権付き建物の売却先には「地主」「一般の買主」「不動産買取業者」などがあります。第三者へ売却する場合は、一般の買主を探す方法のほか、買取業者へ直接売却する方法があります。

 

地主へ売却するメリット・注意点

 

地主にとっては、土地の底地権と借地権をひとつにまとめられ、土地を自由に活用しやすくなります。そのため、土地の再活用を検討している地主であれば、条件面で折り合いやすいこともあります。

 

ただし、地主には買い取る義務がなく、売却を断られたり、建物を解体して更地で返すよう求められたりすることもあります。まずは地主に売却の意思を伝え、条件を話し合ってみましょう。

 

買取業者へ売却するメリット・注意点

 

買取業者に売却する場合、一般の買主を探す期間を省けるため、比較的短期間で現金化しやすい点がメリットです。一方で、買取業者は買い取った借地権の活用や再販売にかかる費用・リスクなどを考慮して価格を決めるため、売却価格が低くなることがあります。

 

また、借地権が土地の賃借権である場合は、買取業者への売却であっても原則として地主の承諾が必要です。地主との調整が不要になるわけではない点に注意しましょう。

 

売却先を検討する際は、契約内容や地代、残存期間などを伝えたうえで査定を受け、提示された金額だけでなく、その根拠や条件も確認することが大切です。

 

なお、本記事は主に普通借地権や旧借地法が適用される借地権を前提としています。定期借地権などは、更新の有無や契約終了時の扱いが普通借地権と異なるため、売却の可否や価格の考え方も個別に確認する必要があります。

 

出典:e-Gov法令検索「民法 第612条」

 

 

 

Q2: 借地権付き建物の買取相場はどのくらいですか?

 

借地権付き建物の買取相場に公的な一律基準はありません。民間の不動産関連資料では、地主へ直接売却する場合は更地価格の50〜70%程度、買取業者へ売却する場合は50%程度が目安として示されています。

 

ただし、地主と借地人のどちらから売買を持ちかけたか、立地、地代、契約内容などによって価格は大きく変動します。

 

借地権割合の目安

 

借地権割合とは、相続税や贈与税の評価において、土地の自用地としての価額のうち、借地権を評価するために用いる割合です。借地権割合は国税庁が地域ごとに定めており、路線価図や評価倍率表で確認できます。

 

税務上の借地権の価額は、自用地としての価額に借地権割合を掛けて算出します。ただし、借地権割合は相続税・贈与税の評価に用いるものであり、実際の買取価格をそのまま示すものではありません。買取価格を検討する際の参考情報のひとつとして考えましょう。

 

出典:国税庁「No.4611 借地権の評価」

 

売却先による買取価格の違い

 

借地権の買取価格は、誰に売るかによっても変わります。地主に売却する場合は、地主が土地の底地権と借地権をひとつにまとめられるため、比較的高い価格で売却できる可能性があります。

 

ただし、借地人から地主へ売却を持ちかける場合と、地主から買取を持ちかける場合でも価格は異なります。

 

一方、買取業者に売却する場合は、買取後の活用や再販売にかかる費用・リスクなどを考慮して価格が決まるため、地主への売却より安くなる場合があります。売却先を決める際は、価格だけでなく、売却までにかかる期間や手続きの負担も含めて比較しましょう。

 

 

 

Q3: 借地権を売却する際、地主の承諾や譲渡承諾料は必要ですか?

 

借地権が土地の賃借権である場合、一般の買主や買取業者などの第三者へ譲渡するには、原則として地主の承諾が必要です。承諾を得る際に譲渡承諾料を求められることがあり、借地権価格の10%程度がひとつの目安とされることもあります。

 

ただし、金額は法律で定められているわけではなく、地域や契約内容、地主との話し合いによって異なります。

 

一方、物権である地上権の場合は、原則として地主の承諾なく譲渡できます。まずは契約書などで借地権の種類を確認しましょう。

 

出典:e-Gov法令検索「民法 第612条」

出典:国税庁「地上権、土地の賃借権、使用貸借権の区分」

 

譲渡承諾料の目安

 

借地権が土地の賃借権である場合、第三者へ売却する際には地主から譲渡の承諾を得る必要があり、その際に「譲渡承諾料」を求められることがあります。

 

金額は法律で決められていません。不動産流通推進センターによると、大都市圏では借地権価格の5〜15%程度が一般的な相場とされており、10%程度がひとつの目安となります。

 

ただし、実際の金額は地域や契約内容、地主との話し合いによって異なります。予想外の費用が発生しないよう、手続きを進める前に地主へ確認しておきましょう。

 

出典:公益財団法人不動産流通推進センター「借地権譲渡の承諾料等に関する地主との条件交渉の方法」

 

地主が承諾しない場合の対処法

 

借地権が土地の賃借権である場合、地主の承諾が得られなくても、借地借家法第19条にもとづく手続きが用意されています。

 

借地上の建物を第三者へ譲渡しようとする際、その第三者が賃借権を取得しても地主に不利となるおそれがないにもかかわらず地主が承諾しない場合は、借地権者が裁判所へ申し立てることができます(地主の承諾に代わる許可)。この手続きは「借地非訟」と呼ばれます。

 

また、申立てを受けた地主が、自ら建物と土地の賃借権を優先的に買い取る「介入権」を行使する場合もあります。裁判所による手続きが必要になるため、まずは地主と条件について話し合うことが大切です。話し合いで解決できない場合は、弁護士などの専門家に相談し、法的な手続きを検討しましょう。

 

出典:e-Gov法令検索「借地借家法 第19条」

出典:裁判所「第1 借地非訟とは」

 

 

 

Q4: 底地権を買い取ることはできますか?

 

借地人が地主から底地権(土地の所有権)を買い取ることも可能です。民間資料では更地価格の30〜40%程度が目安とされる例もありますが、実際の価格は契約内容や立地などによって異なります。

 

底地権を買い取るメリット

 

底地権を地主から買い取ると、土地の所有権を取得でき、これまで支払っていた地代や借地契約の更新が不要になります。また、建て替えや土地の売却などについて地主の承諾を得る必要がなくなり、自分の判断で進めやすくなる点もメリットです。

 

さらに、所有権のある土地になることで、将来的に売却しやすくなる可能性もあります。ただし、まとまった資金が必要になるため、購入価格だけでなく税金や諸費用も含めて検討しましょう。

 

 

 

Q5: 借地権付き建物の買取をスムーズに進めるにはどうすればよいですか?

 

借地権付き建物の買取をスムーズに進めるには、契約内容や地代、残存期間などを整理したうえで、借地権付き建物の取り扱いに詳しい相談先へ早めに相談することが重要です。

 

借地権付き建物は物件ごとの条件によって買取価格が変わるため、査定額だけでなく、その根拠や必要な手続きも確認しておきましょう。

 

事前に査定額を確認する

 

借地権を売却する前に、契約内容や地代、残存期間、建物の状況などを整理したうえで、借地権付き建物の取り扱い実績がある不動産会社へ査定を依頼し、買取価格の目安やその根拠を確認しておきましょう。

 

借地権付き建物は通常の不動産と比べて個別性が高いため、簡易的な査定額だけで適正な価格かどうかを判断するのは難しい場合があります。必要に応じて複数の相談先から意見を聞く場合も、金額だけでなく、査定の前提条件や借地権付き建物の取り扱い実績、対応内容を確認することが大切です。

 

借地権に詳しい相談先を選ぶ

 

借地権付き建物の売却では、地主の承諾や譲渡承諾料など、通常の不動産売却にはない手続きが発生することがあります。そのため、借地権や底地権の取引に詳しい不動産会社や専門家へ相談することが大切です。

 

経験のある相談先であれば、買取価格の目安だけでなく、地主との交渉や必要な手続きについても相談できます。複雑な手続きを一人で進めるのではなく、専門家のサポートを受けながら進めることで、状況や必要な対応を整理しやすくなるでしょう。

 

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まとめ

 

借地権付き建物は、を地主・一般の買主・買取業者など、売却先や売却方法によって、売却価格や売却までの期間がは変わります。また、借地権が土地の賃借権である場合は、第三者への売却に原則として地主の承諾が必要となるため、契約内容や地代、残存期間などを事前に確認しておくことが大切です。

 

底地権を買い取って土地を自分の所有にする方法もあるため、それぞれのメリットや必要な費用を比較し、自分に合った方法を検討しましょう。

 

株式会社アドワン・ホームでは、借地権・底地権に関する相談にも対応しており、提携する士業と連携しながら、借地権付き住宅の売却や権利関係の調整をサポートしています。

 

「借地権付き建物をどう売却すればよいか分からない」「地主との交渉に不安がある」という方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。

 

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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