2026.04.21 その他 代表ブログ その他

特定技能人材 受け入れ停止で外食産業がピンチ!

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外食業での外国人材の受け入れを停止しました。

 

2019年から始めた「特定技能」の在留者数が上限の5万人に迫り、政府は2026年4月13日に新たな資格認定を停止しました。

 

業種ごとに人数の上限が異なり、飲食料品製造などの業種でも枠が埋まりつつあります。これでは、今いる働き手を繋ぎ止めなければ、労働力が確保出来なくなるということで人材確保の不透明感が強まりそうです。

 

飲食店に限らず、コンビニ、介護、建設、工場、フードデリバリーなどで外国人スタッフの方々を見ることが普通になりました。特に飲食業での外国人材の受け入れ停止は、飲食店を利用する場合に商品提供の遅れや店内の混雑を招くなどサービスの低下に繋がり、その影響が懸念されています。

 

今回のブログは「特定技能」について書きたいと思います。

 

大手外食チェーンや外国人材を専門に日本語研修・派遣などを請け負う、人材派遣会社の担当者は頭を抱えています。これらの企業ではフィリピンやベトナム、ミャンマーなどから多数の外国人材をこれまでは受け入れてきましたが、4月13日までに申請が受理された人のみしか来日することが出来ません。

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特定技能は安倍晋三政権下で、人手不足対策として2019年に導入されました。生産性向上や国内人材確保に努めてもなお足りない分を外国人で補うのが制度の趣旨です。過度に外国人材に頼ることがないように各省庁が必要人数を算出し、受け入れの上限人数を決めています。

 

2025年末時点の特定技能の在留者は全業種で39万人と、2024年末比37%増でした。特定技能は1号と2号の2種類があり、1号は最長5年で、2号は家族も同行可能で期間は無期限ですが2号は要件のハードルが高いです。

 

訪日観光客の増加などで需要が高まる外食業は、最長5年の特定技能1号が2029年3月までの上限5万人に対して2026年2月の時点で約4万6000人に達し、農林水産省と出入国在留管理庁が受け入れ停止を発表したという流れです。

 

農林水産省は「外食業従事者400万人のうち特定技能は1%強にとどまり、影響は大きくない」と説明しており、外食業や外国人材の人材派遣業などとの認識が異なっています。農林水産省には「外食業は国内人材を確保する努力が不十分だったのではないか」との思いがありますが、特定技能の外国人はフルタイムで長く働けることもあり大手外食チェーンの担当者は「店舗運営の中核的な存在となることも期待して採用してきた。受け入れ停止は痛い」と語ります。

 

ちなみに私が時々行く外食チェーンの副店長はミャンマー人です。今は高市早苗政権となり外国人管理の厳格化を進めています。出入国在留管理庁の幹部は「上限人数の引き上げは当面難しい」とみています。また、特定技能人材とともに現場を支えてきた外国人留学生ですが、留学生のアルバイトについても出入国在留管理庁は管理を強化する方針です。

 

大手外食チェーンでは、戦略の見直しを迫られています。

 

中華料理チェーンの日高屋の運営会社では、新入社員の約3割(約60人)が特定技能人材です。運営会社の社長は農林水産省に対して、定員枠の増加を申し入れる意向です。

 

居酒屋チェーンの磯丸水産の運営会社では、営業時間の短縮や出店計画の見直しを視野に入れます。磯丸水産では特定技能で働く外国人は約400人と、従業員全体の約4割を占めます。

 

ファミリーレストランのジョナサン、バーミヤンなどを運営するすかいらーくレストランツは、直近で留学生アルバイト32人が特定技能試験を受ける予定で、合格者の将来的な正社員登用を計画していましたが見送りました。

 

また、留学生のアルバイト向けに、特定技能への移行を支援する研修を行っていましたが一時休止します。すかいらーくレストランツでは特定技能で働く外国人は約270人です。

 

日本で受け入れる外食企業だけでなく、出身国でも混乱が生じています。ミャンマー最大都市のヤンゴンで日本語学校では、毎年200人超が日本の外食企業に就職していますが、代表者は「50人の内定が取り消される可能性がある」と語ります。

 

ミャンマーは外食向け特定技能人材で1万5000人近く(2025年末時点)を日本に送り出しており、国別でトップです。この日本語学校では内定者らが半年程度キッチンやホールの業務を学び、就職内定先の企業理念や店舗での提供メニューまで暗記して日本での新生活に備えるようです。

 

居酒屋チェーンから内定を得ていた女性(24歳)は、「日本語や料理の勉強を2年間、一生懸命頑張ってきたからとてもショック」と語ります。必要書類が間に合わず4月12日までに申請出来なかったようで、この努力が報われないとは悲しい話です。

 

有効求人倍率はどうなっているのでしょうか。有効求人倍率とはハローワークに登録された求職者1人あたり、何件の求人があるかを示す指標で、計算式は「有効求人数 ÷ 有効求職者数」です。従って1倍を超えると仕事を探す人より求人が多く、倍率が高いほど求職者が仕事を探しやすい「売り手市場」を示します。

 

飲食物調理従事者が2.31倍、接客・給仕職業従事者が2.43倍で全産業平均の1.13倍(ともに2026年2月時点)を大きく上回り人手不足が深刻です。農林水産省の見立てと異なり、特定技能人材なしでは外食産業は成り立たないのが実情といえます。

 

特定技能人材が不足する外食産業の一方で、殆ど機能していない業種もあります。

 

自動車運送業では特定技能受け入れ上限が2万2100人ですが、受け入れ数は151人(2025年末時点)にとどまります。中小規模の運送会社社長は「特定技能トラック運転手の枠が一定数あるが、絶対に元が取れない」と語ります。人材紹介会社への紹介料が100万円程度かかり、渡航費・滞在費・大型トラック運転免許証取得費用などを合わせると1人あたりで数百万円が必要となり、特定技能1号で在留期間の上限5年間では「元が取れない」とのことです。

 

このように業種によって在留期間の上限と就労実態の相違が大きくなっているのが現状です。

 

外食業ほどではないですが、建設業も受け入れ余力が少なくなってきており、建設業でも将来的に受け入れ停止となれば建設コストの上昇に拍車がかかる要因になりそうです。

 

2019年に始めた特定技能人材の受け入れですが、各省庁が当時に見立てた受け入れ人数枠が妥当だったのか問われそうです。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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