2026.09.18 その他 代表ブログ その他

低下する希望出生率

生涯未婚率希望出生率少子化対策子ども・子育て支援金職種別民間給与実態調査

若い世代の結婚を望む人が全員結婚し、希望する数の子供を持てたと仮定した場合の女性1人あたりの子供の数を示す数値が「希望出生率」です。昨年の2025年は1.46程度に落ち込む見通しです。希望出生率は新型コロナ禍前には1.8程度でコロナ後の2021年には1.6程度に低下していましたが、今後も低下しそうな見通しです。

 

希望出生率の低下は結婚を望む若い世代が減ったことが大きく、国立社会保障・人口問題研究所が9月に公表した2025年の出生動向基本調査によりますと、18〜34歳の未婚者のうち「一生結婚するつもりはない」を答えた人の割合は、男女ともに調査開始以降初めて2割を超えました。結婚に利点を感じず、また、希望や理想の子供の数も減少が続いています。

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結婚を望まない割合は男性24.0%、女性21.5%で、「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性75.1%、女性77.8%で初めて8割を切りました。結婚をする・しないは個人の自由ですが、数値を見る限り今後も少子化は進みそうです。

 

日本社会は独身の人達が不満を感じる仕組みが多いのが現状です。今回のブログでは、その辺りを取り上げてみたいと思います。

 

2024年の人事院の職種別民間給与実態調査によりますと、企業の74.5%が家族を養う社員に手当を支給しています。配偶者と子供2人分なら平均して月額で25272円、配偶者手当がない企業でも、子供2人分で25241円でした。

 

既婚者のみに住宅手当を出す企業もあります。ある大手企業では、子供の扶養手当に加えて教育手当があります。子供2人ならば最大約60万円、同じ仕事をする独身者よりも年収が高くなります。転勤の場合に手当を出す企業も多く、転勤の場合の年収差は100万円超に及ぶ場合もあります。

 

日本と異なり欧米では家族手当を設けず、同じ仕事をする社員には同額を支払うのが一般的です。子育ては企業側ではなく、社会保障で支援します。

 

かつての日本では大黒柱が一家を養うことが多く、それを前提とした「生活給」の思想が根強く残ります。近年のライフスタイルの多様化とはズレが生じています。生涯未婚率は男性で約3割、女性で約2割なので、家族手当は「誰もがいつか恩恵を受ける」という制度ではなくなっています。

 

この現役時代の賃金格差は、老後の年金にも影響が出ます。社会保険労務士の試算では、正規雇用だった独身男性の年金額(中央値)は月15.8万円でした。月2.5万円の家族手当を20年間上乗せすると、年金額は月16.1万円に増えます。仮に家族手当が月5万円の場合は年金額が月16.4万円に増えます。

 

会社員らが入る厚生年金は現役時代の収入が多いほど、将来もらえる年金は増えます。収入が増えると保険料は高くなりますが、事業主と労使折半負担しますので恩恵は大きいです。

 

連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長は「子育て支援は大切だが、企業ではなく国が社会保障としてやるべきだ」と語ります。企業ではなく国の支援ならば、手当がない企業の社員の老後の格差を防げます。

 

そのような中、LINEヤフーは2023年の発足当時から家族関連の手当を設けず、成果に応じて給料を払っています。子育て中の社員は休暇制度の充実などで支えます。しかし、LINEヤフーのような企業はまだ少ないです。

 

専門家は「かつては多くに行き渡った家族手当の恩恵が、今は同じ仕事への対価の差となり不公平感を生んでいる。働くインセンティブを損ないかねない」と指摘します。

 

別の識者は「2005年以降は結婚して子供を1人以上産む数はキープされたが、未婚化が進んでいった」「若者が結婚できる前提で、子育て支援を充実させていった。本当にやるべきは少子化対策より未婚化対策だろう」と語ります。

 

結婚相手の条件として、女性に「経済力」を求める男性は55.6%で初めて5割を超えました。「家事・育児の能力や姿勢」を重視する人は6.8ポイント下がり35.3%でした。男女ともに、結婚相手に「経済力」を求める傾向が高まっています。

 

先ほどの識者は「未婚の中でも不本意未婚が最大の問題だ。昔から選択的未婚はあった。今は未婚のうちの半分は結婚したくてもできない人が占める。要因は色々あるが、25%くらいは経済的理由だろう。子育てはお金がかかるという意識が植え付けられている」と語ります。

 

政府は少子化対策を拡充していますが、経済的に出産に前向きになれない姿勢が浮かびます。理想の子どもの人数も2.18人(前回2.25人)で減少しました。理想の人数を持たない理由として最も多いのは、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(52.9%)。3番目に多かったのは「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」で、前回調査の20.1%から27.8%に大きく上りました。

 

住居・教育などの問題が障壁になり、結婚をためらいがちになっています。

 

日本では、2026年4月から「子ども・子育て支援金」制度が始まりました。これについて、先ほどの識者は「社会で子供を育てるものだという方便を使って、社会保険料を上げている。子育て支援としての給付はそもそも適切ではない。(2012年から廃止された)年少扶養控除の復活の方が望ましい」と語り、「給付」の場合は貯蓄に回ってしまう傾向にあり、同じ額の支援なら「控除」の方が消費に回って経済が活性化すると指摘しています。

 

これには、子育てをする私も「なるほど」と感じました。今の政治家の皆さんには、バラマキではなく効率的に予算を使い、上手に経済を活性化して子供を持ちたいと思える未来を構築して欲しいと思います。

 

ここ5〜10年くらいの施策次第で、その先の2050年以降が大きく違ってくるはずです。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

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