2026.08.02 マンション 管理 代表ブログ その他

マンション大規模修繕工事 談合の闇

大規模修繕工事公正取引委員会談合建築資材設計監理方式

2026年6月中旬に初めて報じられたと思いますが、マンション大規模修繕工事(掲載写真は足場を組む分譲マンション)において談合を繰り返したとして、公正取引委員会(公取委)が施工会社30社超と設計コンサルタント会社2社の独占禁止法違反を認定して、再発防止に向けた排除命令を出す方針を決めたニュースはビックリしました。7月下旬に入って公取委がこれらの会社に立入検査をしたと続報が流れています。

img_blog_03
 
 

30社超の施工会社には淺沼組、長谷工コーポレーション傘下の長谷工リフォーム、大京穴吹建設など名の通った会社もあります。

 

施工会社が裏で結託して談合をするのはありそうな話ですが、施工会社に加えて予算膨張を防ぐはずの設計コンサルタントが談合に関与していたという「背信行為」にはビックリしました。

 

人件費や建築資材などの上昇で大規模修繕工事費用が上昇する中、修繕積立金不足は深刻な問題となっています。工事費用を抑えて建物の維持管理をしようと「プロの視点」でのアドバイスを求めて、マンション管理組合が設計コンサルタントに依頼するケースが増えています。その設計コンサルタント会社が裏で施工会社と組んで談合に加担していたことは重いです。

 

国土交通省によりますと分譲マンションは2024年末時点で全国に約713万戸で、推計1600万人が住んでいます。不動産経済研究所によりますと、2025年にも59940戸の新築マンションが発売され、2026年も発売が続いています。

 

快適な居住環境の確保と資産価値の維持・向上のため、国土交通省のガイドラインは一定期間が経過したマンションは大規模修繕工事が重要だと指摘しています。ただ国土交通省の5年毎の調査では、2023年度時点で36.6%の管理組合で修繕積立金が計画上の金額より不足していました。

 

2025年のマンションの修繕費は1戸あたり平均で約150万円。2013年を100として指数化すると2023年が138.9ポイント、2025年は更に上昇して161.1ポイントでした。実際はマンションの規模や構造などでも1戸あたりの金額は変わりますが、人件費や建築資材は上昇していくと思われますのでこの上昇トレンドは続きそうです。

 

管理組合では品質を維持しつつコストを抑えようと考えるのが一般的で、そこで注目されてきたのが「設計監理方式」と呼ばれる発注方法です。管理組合が選んだ設計コンサルタントが修繕計画の作成から施工会社の選定支援、工事の監理までを担います。施工会社に任せきりにせず第三者的な「プロの視点」が入るのが強みで、国土交通省の2021年の調査では大規模修繕工事の約8割がこの「設計監理方式」でした。

 

透明性が高い方式のはずですが、今回はチェック役によって骨抜きにされた構図です。関係者によりますと今回の設計コンサルタント2社は、受注調整があったとされます見積り合わせなどに幅広く関与していたようです。

 

一般的に設計コンサルタントは取引規模に応じたマージンを受け取ります。管理組合の信頼を集めて案件を獲得しながらも、期待される役割に背いて談合に関与し、管理組合からの正式なマージンに加えて施工会社からバックマージンを得ていたようで、これでは工事代金は安くなる訳がありません。

 

では、このような「背信行為」に対して、管理組合はどのように備えるべきでしょうか。

 

首都圏の管理組合役員が参加する「マンション管理組合理事長勉強会」の代表者は「業者への丸投げを脱し、管理組合側が主体的に修繕工事に不正が無いか検証する姿勢が求められる」と語ります。例えば、見積もり合わせで示された金額が妥当かどうかの検証を外部機関に依頼するのが有用で、大規模修繕委員会を立ち上げる際は管理組合側のメンバーを手厚く任命し、設計コンサルタント会社による業者選定などをチェックしやすくする体制づくりも重要だとしています。

 

管理組合役員のなり手が不足している分譲マンションは多く、管理組合側のメンバーを手厚くするのも一筋縄ではいかない分譲マンションも多そうです。しかしこのような「背信行為」を許さない為にも、様々な工夫が必要になりそうです。

古田 晋一
この記事を書いた⼈

株式会社アドワン・ホーム 代表取締役
古田 晋一

宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®︎認定者

新卒で入社した総合不動産賃貸業者にて賃貸仲介・管理業務等に従事したのち、住友林業ホームサービス株式会社にて不動産売買仲介を経験。
営業時代に最優秀個人売上賞(全社1位)をはじめとして住友林業グループ表彰(年間全社3位以内)を複数回に渡り受賞。店長・支店長時代には店舗損益予算達成率 全社1位、営業部長時代には部門損益予算達成率 全社1位を獲得するなど、各ステージで特別表彰を受賞。

最新記事

ONLINE MEETING

遠方の方やお時間の都合が合わせにくい方は
オンラインでのご相談も可能です。

お問い合わせフォームから希望の日時とご相談内容をお知らせください。
オンライン相談の流れは予約完了後のご案内メールにてお送りいたします。ご希望の方は、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

相談予約
個別相談会

首都圏エリア限定

個別相談会

自宅や職場などご都合の良い場所から、ビデオ通話を使用して、物件の購入・売却・賃貸はもちろん管理・投資・相続など不動産に関わることは何でもご相談できます。

早速相談する
お問い合わせ

CONTACT US

不動産に関するご相談がある方は
こちらからお問い合わせください。

お問い合わせ